スウェーデン・グラフィック界の巨匠オーレ・エクセル Swedish Graphic Designer, Olle Eksell

当サイトはスウェーデンのデザインを主にご紹介していますが、中でも名指しでご紹介したいデザイナーさんが何人かいらしゃいます。その筆頭が「オーレ・エクセル」氏です。すでに故人ですが、彼が今のスウェーデンデザイン界に残したものは計り知れないのです。オーレさんは日本での注目を高めていますので、当サイトではオーレ・エクセルのカテゴリーを作り、これからも引き続きご紹介していきます。

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オーレ・エクセル氏の軌跡
ミッドセンチュリー時代に活躍し、スウェーデンのグラフィック界をひっぱってこられたオーレ・エクセル氏。スウェーデン国内ではすでに過去の人であまり取り上げられることはありませんが、彼の残した業績は計り知れません。オーレ・エクセル氏については、スウェーデンよりも海外での評価の方が高いのかもしれません。それは日本も同様で、最近日本での注目度も高まっています。彼のやってきたことは、今のスウェーデンのデザインが国際的に認められ、デザインは経済効果を高めるという考え方が一般的になる先駆けとなりました。日本のデザイン界もオーレさんに学ぶことがありそうですが、それよりなにより、オーレさんのかわいらしいイラストは、フッとした笑いを誘い、心を和ませてくれます。そんなオーレさんのイラストを、たくさんの方にご紹介できればと思っております。

私は2006年に出版された日本語版オーレ・エクセルの本の制作に携わり、それをきっかけにオーレさんに初めてお会いしました。すでに目の見えなくなっていたオーレさんを支えていたルーセル夫人の献身的な姿が印象的でした。その時ご自宅で目にした大量の未発表の作品と、それをきちんと保管してらっしゃるご夫人を前に、この宝の山をこのままにしておいていいのかと真剣に思いました。スウェーデンのポール・ランドと言われる才能をお持ちのオーレさんでしたが、ビジネスとしてはあまり成功されなかったと言います。お金に無頓着で、ギャラが入ると旅行に出かけ、お金がなくなると帰ってきたそうです。自分の好きなように暮らしていたからこそ、あれほどの夢のあるアイデアが次々と浮かんできたのでしょう。

2007年4月11日に89歳で永眠されたオーレさんは、目を悪くされた頃から現役を引退し、生涯のパートナーであるルーセル夫人とともに静かに暮らしておられました。オーレさんが亡くなった後、ルーセル夫人はできるだけオーレさんの作品を世の中に発表したいと考えておられます。特にピエブックスの本がオーレさん生前の最後の作業になったこともあり、日本には強い関心を示していらっしゃいます。

近年では、Glyphの協力とスウェーデン大使館の協賛により、2008年に東京と京都でオーレ・エクセル展を開催いたしました。Glyphはオーレさんのイラストを使ったデザイン性の高い商品を発表し、日本国内で販売しています。オーレさんの軌跡をまとめたカタログも発行しています。
オーレ・エクセルグッズ

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