デザインがますますグローバル化し、何が北欧らしいデザインなのか分かりづらくなってきました。私自身2000年ごろから北欧デザインを紹介していますので、その頃のメジャーであったシンプルでモダンなデザインから紹介していました。その頃はスウェーデンの伝統的なデザインの知識はあまりありませんでした。最近になって懐かしいデザインの人気が高まってきたり、今年100周年を迎えたスウェーデン手工芸協会の展示が増えている影響で、伝統的なデザインを目にすることが多くなってきています。このような伝統的なデザインが今のスウェーデンデザインに影響を与えていることは間違えありません。
ダーラナ地方伝統の花模様クルビッツは、特にスウェーデン人にとって心のデザインのように思います。ダーラナに行くと実にたくさんのクルビッツを見かけ、あれこれ撮影した写真をフェイスブックにまとめてみました。ダーラナ地方の伝統柄クルビッツ
100年も前のスウェーデンは貧しい農業国であり、これといった産業もなくて多くの人々がアメリカなどへ移住して行きました。そんな中でも地道に作られていた手工芸品の名残がスウェーデンのあちこちで見かけられます。古い木造家屋の工場で鉄、木工、手芸などが作られ、その跡地を見ることができます。手の器用なスウェーデン人はすばらしい工芸品を残していて、特にダーラナ地方では伝統工芸を大切にしていて、ストックホルムでは見られない本物の手工芸品がたくさん残されています。そのことを知っている日本人も多く、スウェーデン好きの多くの日本人はダーラナの手工芸品に魅せられているのではないでしょうか。私などよりもよっぽど詳しい人もたくさんいて、私自身もまだまだ学ぶことがあります。これからも、伝統工芸のデザインに注目していきたいと思います。