北欧最大のデザインイベント、ストックホルムファニチャーフェアが2月5日〜9日までストックホルムメッサで開催されます。家具、照明、テキスタイル、公共空間など、北欧を中心に海外からも出展されます。グリーンハウスという新人登竜門のブースは、挑戦的な若手の出展でいつも盛り上がります。グリーンハウス会場を担当するのは、2008年に設立された斬新なデザイングループNote Design Studioです。
いちばん強調したいことは、今年のゲストデザイナー(Guest of Honour)です。毎年国際的に活躍しているデザイナーが選出されますが、今回は日本の著名デザイナーnendoです。彼らは2004年にグリーンハウスに出展し、その後スウェーデンの大手家具ブランドSwedese等から作品を発表し、あっという間に国際的なデザイナーへと成長しました。グリーンハウスでの初出展から11年目を経て、今回は凱旋とも言えるゲストデザイナーとしてエントランスホールを飾ります。nendoは2012年にWallpaperのDesigner of the Year及びElle Deco InternationalのDesigner of the Yearに選出された、今国際的に最も注目されているデザイナーです。
実は2002年のグリーンハウス出展は私もよく覚えています。2002年は日本からの取材も数多く訪れ、私も初めてファニチャーフェアを見に行った年でした。nendoは早稲田大学の同窓生数名が設立した新しいデザイングループで、当初からデザイナー、営業、マーケティングと仕事が明確になっていたのが印象的でした。グリーンハウスでのnendoの出展は1枚の薄い板で作られたwindというスツールで、その完成度の高い作品がSwedeseの目に留まったと聞きました。その後毎年のようにファニチャーフェアでSwedeseから出展され、彼らの作品がメイン会場を飾っていきました。今では押しも押されぬ世界的なデザイナーへと成長し、当初数名だったスタッフもかなり増えたようです。今はもう雲の上の人々となった彼らですが、国境を越えて活躍している日本人を見るのは本当に嬉しいものです。今年のファニチャーフェアはいつも以上に楽しみです。