日本と北欧の感覚の類似

最近すっかり日本の伝統文化にハマっていますが、先日たまたま耳にした谷崎潤一郎の「陰翳礼讚」と、「折形」という礼儀作法が気になっています。

「陰翳礼讚」は1933年の谷崎潤一郎の随筆で、まだ電灯がなかった時代の今日と違った美の感覚を論じたものです。その当時は西洋では可能な限り部屋を明るくして陰翳を消すことに執着しましたが、日本ではむしろ陰翳を認め、それを利用することで陰翳の中でこそ生える芸術を作り上げ、それこそが日本古来の芸術の特徴だと主張しています。(Wikipediaより引用)

今でこそ日本の照明は蛍光灯が一般的で明るく照らしますが、北欧の照明はそれこそ「陰翳礼讚」の世界です。ロウソクを灯したような明かりと陰影の美しさを表現しています。昔の日本の家屋やデザインの考え方を読むにつけ、北欧デザインの考えと良く似ていると思います。だからこそ、北欧デザインを違和感なく受け入れ、どこか懐かしさを感じるのかもしれません。

「折形」とは、贈答や室礼などの際に用いられた、紙を折って物を包む日本の礼儀作法のひとつです。平安時代から贈答をする際には進物を紙で包むようになり、江戸時代になって和紙が安価に出回るようになり、庶民にも広まりました。お赤飯に添えるごま塩包み、香包み、金包み、扇包み、のし包みなど、それぞれの紙の折り方が考案されて、それぞれの各家や流派によって伝承された作法があったようです。吉事には2枚、凶事には1枚で折るという作法などもあります。(Wikipediaより引用)

一般的なのは贈答用などの、のし袋ですが、茶道で使う懐紙の折り方も、実はこの折形から来ていると知りました。昔は粉薬が紙に包まれていたことを思い出したり、キャラメルの包み方や凝った包装の仕方など、全て折形が基本になっています。

日本にはこのように、昔に遡るととても興味深い文化があります。茶道をやっているとそういう状況に遭遇することも多く、実に長い年月をかけて日本の文化が引き継がれてきたことを知ります。その日本の伝統文化が今また見直されているのは、本当に喜ばしいことです。このような素晴らしい文化は、スウェーデンにも伝えていきたいと思っています。

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