1月中旬に恒例の北欧インテリアフェアFORMEXが開催されました。
北欧最大国スウェーデンでのイベントは、
北欧の最新トレンドを物語っていると言っても過言ではないのではないでしょうか。
近年の北欧デザインのトレンドは、
最新のデザイン賞から見て取れるかもしれません。
2011年に始まったFormex Formidableというデザイン賞は、
トレンドリーダー、インテリア誌カリスマ編集者、
コンストファック美術大学教授など5名の審査員により、
8月のFormexで20品が選出され、
最優秀作品が翌年1月のFormexで発表されます。
また、一般投票によるいちばん人気作品も同時に発表されます。
今年のformexで発表されたFormex Formidable2013賞に選ばれたのは、
Botanという2種のフラワーベースとじょうろのセットで、
デザイナーはKristina Starkです。
BotanはBotaniska trädgårdenという
南スウェーデンのルンドにある植物園の名前からきています。
Kristinaさんはコンストファックとロンドンのデザインスクールで学び、
Design House Stockholm、Boda Nova、Höganäs Keramik、
Genseなどのプロダクトデザインを手がけ、
現在はオリジナルブランドKristina Starkを発表しています。
一般投票でいちばん人気となったのは、
若手デザインデュオRioRioのブランケットです。
2012年に設立されたRioRioは、
ハンドクラフトやフォークロアの持つ温かさと背景を
自分たちなりに表現したデザイン作りを目指しています。
下記は2012年にFormex Formidableに選ばれた作品で、
左が優勝作品のフラワーベース、右が一般投票で選ばれた杖です。
こちらは2011年にFormex Formidableに選ばれた鉄鍋です。
こうしてFormex Formidable賞を受賞した作品を見てみると、
一風変わったものが選ばれているようにと思われます。
実は今年のFormexで選ばれたフラワーベースは、
ひとめ見た時に、これが選ばれると直感しました。
なぜなら一風変わっているからです。
正直なところ、近年の北欧デザインには
心躍る作品との出会いがほとんどありません。
特にキッチン用品は、あまり機能的と思われるものが少なく、
どちらかというとポッテリと重そうで、
使い勝手がいまいちな印象があります。
使い勝手のよいテーブルウェアをだしていたHöganäs Keramikも、
近年はすっかりボッテリとしたシリーズになってしまいました。
ミッドセンチュリー時代のキッチン用品の方が
ずっと使い勝手がいいように思われ、今でも昔のものを愛用しています。
そんな中、色使いだけはさすがの北欧デザインです。
Formexの見どころは、出展者たちの
すばらしいディスプレイと展示品の色使いでしょう。
数少ない色を組み合わせによってカラフルに魅力的に見せる術は、
北欧デザインの神髄と言えるのではないでしょうか。
(画像の©は全てFormex)