日本でブレークしたリサ・ラーソン

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ただいまリサ・ラーソン展が松屋銀座で開催されています。あれよあれよという間に人気者になったリサさん。会場ではおせんべいや飴など、日本ならではのコラボ商品も売られているようです。私がリサさんに初めてお会いしたのは2005年でした。リサさんの書籍がスウェーデンで出版されたプレスリリース会場です。そのときの様子は、当時のジャパンデザインネットに投稿していた「Simple Modern, Sweden Design」で書かせていただいています。その後、「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」に書かせていただいたり、その他の雑誌への投稿をさせていただきました。その頃も少しずつリサさんのフィギュアの人気が高まってきましたが、陶芸のフィギュア以外の商品が登場してから一気に人気が高まったようです。

スウェーデンでもリサさんの日本でのブレークは知られていて、「リサのフィギュアはバターのように売れる」と言われていました。リサさんの作品は人をホッとさせる魅力があります。以前に取材した時に、「私のデザインは置物で何の機能もないと思っていたけど、ある日知人が、あなたのフィギュアは人を和ませる機能があると言ってくれて、とても納得したの」との言葉が印象に残っています。人を幸せにするデザインは、置物であれなんであれ、機能的なのです。

当初リサさんは、自分の作品が他のものに商品化されることにあまり前向きではなかったそうです。ぬいぐるみやキーホルダーなど、本来の姿と異なる商品になって、果たしてどうなんだろう、と思ったそうです。しかし、それまでリサさんのフィギュアに興味を示さなかった幼い孫たちが、キーホルダーやぬいぐるみをとても気に入ったことで、新しいファンが増える喜びを感じたそうです。グラフィックデザイナーの娘さんのヨハンナさんの協力もあり、フィギュア以外のさまざまな商品へと形を変えて行き、大きなヒットを生み出しています。

アートだけでビジネスをするのは大変難しく、また、最近の北欧デザイン老舗ブランドは厳しい局面に立たされています。有名ブランドが倒産したり合併されたり、あれこれと実情が変わってきています。そんな中、リサ・ラーソンブランドの成功は「アートの商業化」と言われていますが、このご時世にはよいことなのではないかと思います。商業化されることにより、新しい市場が広がっています。ただ、あまり流行り過ぎて飽きられることのないよう願いたいと思います。

 

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