スウェーデンと日本のトイレ事情

本日はトイレ事情について。
日本に帰るたび、トイレの進化に驚いています。ドアを開けたら「いらっしゃいませ」とばかりにトイレのふたがゆっくりと開き、場に着くと音姫がなりだし、用が足し終わったころには自然と水が流れる、何もしなくてもいいわけです。あまりの便利さにただただ驚くばかりですが、流すのくらいは自分でやりたいと思いました。というのは、まだ流したくないのに勝手に流れてしまうことがたびたびあり、再度流すことになるからです。

外国人が日本を訪れて困るのがトイレの使い方だとよく耳にします。公衆トイレにはウォッシュレットが一般的で、数多くのボタンが実に複雑で、どう使っていいのか分からないのです。使わなくてもいい機能なのですが、つい気になってしまうようです。よく聞くのが、ウォッシュレットから勝手に水が出てきて驚くという話しで、ある知人は、どうなっているんだろうと便器に顔を近づけたら、ウォッシュレットが作動して水がピューっと顔にかかってそうとう驚いたと言います。そもそも公衆トイレにウォッシュレットは必要なのでしょうか。自宅やホテルなど、ゆっくりできる場所ではとても有り難い設備だと思いますが、外出先でウォッシュレットを使うことはありません。

ここで、スウェーデンのトイレはどうだろうとハタと考えました。もちろんこんな便利なはずもありません。ウォッシュレットはないですし、音姫もありません。当然ながら流すのも自分の手で操作します。トイレの個室に手を洗える水道が付いている場合があり、これは結構便利だと思います。それと、わりと多くのトイレのドアのロックがグッドデザインになっています。ドアの取っ手を上に上げるとロックされ、下げるとロックが外れますので、鍵かけがとても簡単なのです。ドアを閉めるだけのようにあまりに簡単なので、本当にロックされているのか不安になる方もいるようですが、ちゃんとロックされているのでご安心下さい。また、スウェーデンの公衆トイレには、ハンディキャップ用のトイレを設置するという決まりがあります。いくつもトイレを入れられない場所では、ハンディキャップ用トイレのみというところもあります。

日本のトイレの進化は素晴らしいですが、気になるのは、この便利さが全て電力に頼っていることです。もし地震で停電になったらどうなるのだろう、流すこともできないのではないか、などと不安を覚えるのです。

とはいえ、この便利さを追求する日本の姿勢は誇らしいことです。この点がスウェーデンにはないため、日本を訪れた人々にとっては新鮮な驚きになります。ホテルや自宅でのウォッシュレットは重宝されていくものなので、海外でもますます売れていくことでしょう。「日本の便利」をうまく海外に紹介できれば、私たちの暮らしももっと向上していくかもしれません。日本の便利な暮らしに慣れてしまうと、海外の不便な暮らしが辛く感じてしまいます。可能であれば、ウォッシュレットは自宅に設置したいですね。

ちなみに、下記の画像はストックホルムメッサという展示会場の公衆トイレです。本物の植物が壁一面に設置されていて、トイレとは思えないインテリアです。鏡は両サイドにありますので、普通に化粧直しなどができるわけです。これは一般的な公衆トイレではありませんが、あまりにも印象的だったので、思わず写真を撮った次第です。トイレは快適な場所であるべき、という考えは、共通しているようです。

10356392_10152670057008036_3708789377855948855_n

Scroll to Top