ヨーロッパ中が一斉に盛り上がるユーロビジョン・ソング・コンテスト

ヨーロッパを中心に毎年開催される音楽の祭典「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」。先週末に行われたグランドファイナル大会で、スウェーデン代表の歌手モンス・セルメルローが優勝しました!デジタルを駆使した演出が、多くの観客を惹きつけたように思います。

ユーロビジョンウィークに行われる各国代表が出場するセミファイナル大会で、グランドファイナル大会へ出場する27カ国が選ばれます。大会は各国に生中継され、一般視聴者も参加できる投票で優勝者が決まるので、ヨーロッパ中が一同に盛り上がる大会です。ABBAもこの大会で優勝しており、その後世界的スターになりました。

ユーロといってもヨーロッパ以外の国の参加もあり、今年は60周年記念としてヨーロッパとは離れた国であるオーストラリアが特別参加となりました。ユーロビジョンは各国の工夫されたパフォーマンスも見もので、ヨーロッパを中心に多数の国が参加していますので、歌だけでなくお国柄も楽しめます。ユーロビジョンについてはウキペディアを見ていただくと分かりやすいですが、1950年代の第二次世界大戦後の復興が進んでいたヨーロッパで「明るいエンターテイメント番組」を模索していたのが始まりです。ヨーロッパはあれだけの大戦がありましたが、EUとしてなんとかまとまろうという努力が感じられます。特にユーロビジョンはヨーロッパ各国の紹介を兼ねたエンターテイメント的番組で、生放送で同時に楽しめるのが面白いですね。

大会は政治的な影響も見られ、審査員や視聴者による投票では、各国間の関係が影響を与えているといわれています。確かに北欧各国による投票で1番に選ばれるのは、北欧の兄弟国が多いです。歌の良し悪しに関わらず、デンマークでの投票1位がスウェーデンであったり、逆にスウェーデンでの投票1位がデンマークであったり。ちなみに自国に投票することはできません。

歌を楽しむというより、ヨーロッパ全体が同時に盛り上がるエンターテイメントとしての要素が強いように思います。私としては、これを見るたびに紅白歌合戦を思い浮かべますが、一国でなくヨーロッパ全体で行われるところがすごいと思います。しかも優勝者が投票で決まるため、視聴者も自分が参加している気持ちになり、会場と一緒に盛り上がります。

今回のグランドファイナル大会には、車椅子の歌手も参加していました。TVでは手話での説明もあり、誰もが参加できる要素が詰まっているようです。紛争が多い今の時代ですが、ヨーロッパ全体で楽しめるエンターテイメントは、平和の象徴だと思います。各国が国旗を振って応援する姿はオリンピックやW杯のようで、世界平和を感じられるエンターテイメントという意味でも、とても楽しい祭典です。

 

 

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