私はスウェーデンで起業して12年目の個人事業主で、自由度と人件費の高さから未だにひとり経営です。起業した当初と今では仕事内容も違っていますが、「グッドデザインをすべての人に」というスウェーデンデザインのポリシーは変わらず発信し続けています。とはいえ「ひとり経営」というのは孤独感もあり、なるべく興味のあるセミナーや集まりに参加するようにしています。そこで、本日参加してきた女性起業家セミナーついてご報告します。
主催はVeckans Affärer(VA)というビジネス情報誌「Veckans Affärer/ウィークビジネス」を発行し、ネットワークや出会いの場を提供している組織で、ビジネス関連のさまざまなイベントを企画しています。スウェーデンは起業家とイノベーションにおいて、世界でもトップレベルと言われています。昨今の急速なデジタルの進化やますます自由化されるグローバル市場では、知識やスキルをレベルアップしていくことは企業にとって必須です。VAはビジネス界の最新情報提供やサポートをしています。
ちなみに「Veckans Affärer/ウィークビジネス」最新号の特集のひとつは、トランプ大統領と親しげにしている写真が大きく掲載されたソフトバンクの孫正義さんです。
孫正義さんのウェブ記事
今回の「女性起業家セミナー」もその企画のひとつで、未来を担う女性起業家たちは何をすべきか、といったテーマでセミナーとパネルディスカッションが行われました。会場には見るからに有能そうでエネルギッシュな女性たちがたくさん集まっていました。セミナーでは女性起業家として成功した人たちや、起業家をサポートするシステムについてのお話しがメインでした。
男女平等の進んでいるスウェーデンですが、起業家レベルではまだ男性優位のようで、そのあたりの議論が白熱していました。参加者のほとんどは女性でしたが、パネラーには男性の政治家もいて、女性起業家への支援についてもお話しされました。Unionenという起業家をサポートするユニオンの男性もメインパネラーとして話をされ、個人起業家の悩みである保証のサポートについて説明され、ユニオンのメンバーになってもいいかなという気になりました。
セミナーの印象としては、女性起業家として立ちはだかる男性優位な現状という話しで盛り上がった感じでした。男女平等が進んたスウェーデンでも、未だにこういうことで盛り上がるんだなと思いつつ、スウェーデン女性たちはこうやっていつもこの話題を盛り上げて、自分たちの住みやすい社会を築き続けているのだなとも理解しました。
パネラーが話す中で印象に残った言葉は、女性起業家のひとりが語った「挑戦する勇気」です。起業家としては当たり前の姿勢ですが、最近なんとなく尻込みしている自分がいるような気がしていたので、ちょっと心に響いた言葉でした。それから、ネットワークを持つことも重要です。
個人事業主はひとりで仕事するので煮詰まることが多く、起業家同士の集まりで同じ状況を分かち合える場が必要です。起業家向けのネットワークは本当にたくさんあるので、自分に合ったネットワークを見つけて積極的に参加してみようと思いました。
セミナーが行われたコワーキングスペース
セミナーが行われた場所は、ストックホルム中央駅前のウォーターフロントにあるビル内でした。実はセミナーの内容よりも、開催された場所に興味を持ちました。会場はUNITED SPACEというコワーキングスペースで、セミナー会場やレンタルオフィスがあります。未来志向のオフィスとして、働きやすく、動きやすく、コミュニケーションもとりやすいという理想的なスペースを提供しています。
個人事業主としては、仕事場をどうするかはひとつの課題です。働く場所だけでなく、ネットワークも充実しているレンタルオフィスは、個人事業主にとって必須です。ここのメンバーシップの条件を見てみたら、1ヶ月3195sek(約4万円)からとあり、通常のシェアオフィスでもこれくらいはかかるので、仕事場を探している人にはお勧めです。
私は現在4名のシェアオフィスを借りています。スタイリスト2人とフォトグラファーと私ですが、4名だとオフィスにひとりぼっちになることもけっこうあります。家から近いのと広いスペースが気に入っていますが、ネットワーク構築にはいまひとつなので、UNITED SPACEのメンバーシップにちょっと興味を持ちました。
UNITED SPACESのメンバーシップ