今年の3月に出店した手紙社の「布博」
今度は7月21日から開催されるポーチ博に出品いたします。
布博は、“布”にまつわる一流の作り手たちが出店する
オリジナリティーが高くて、ここでしか手に入らないものも多いため
回を追うごとに人気の高まっているイベントです。
開催場所がマイナーな場所で、入場料(500円)がかかるにも関わらず
10000人以上の来場者が集います。
次回の布博は、町田駅前の「町田パリオ」で開催されます。
7月21日〜23日に開催される「糸とボタンに恋をする週末」に併設される
ポーチ博に出品させていただきます。
【布博 開催概要】
布博 in 東京 vol.9
第1週目「糸とボタンに恋をする週末」:2017年7月21日(金)〜23日(日)
第2週目「作り手に恋をする週末」:2017年7月28日(金)〜30日(日)
入場料:500円
会場:町田パリオ
町田市森野1-15-13 3階・4階
小田急線・JR横浜線町田駅より徒歩1分
私たちが出品するのは、北欧デザイナーによる刺し子柄を
機械刺繍とデニムで再現したポーチです。
北欧の刺し子柄を、昔ながらの日本のていねいな技術を使い、
機械刺繍の生地と織りのデニムを作りました。
手縫いの刺し子本来の美しさを機械刺繍で表現したいと思い、
数々の工房を訪ねて、やっと見つけたのが
岡山県にある刺繍レースの工場です。
今では数少なくなった刺繍レースの機械で刺した刺繍は、
帆布のしっかりした生地の上に細い糸で、
北欧デザイナーの刺し子柄が表現されています。
刺し子デザインに合わせて、ファスナーの色も変えています。
デニムは、広島県福山のデニムメーカーとの協力で
何度も試作を繰り返しました。
糸の太さを変えて凸凹を使い、織りの質感を表現しました。
ノンウォッシュなのではじめは色落ちしますが、
使えば使うほど愛着のわく素材感です。
日本古来の刺し子は、厳寒な気候と貧しい暮らしから生まれ、
東北地方を中心に実用品として発展していきました。
その点と線だけで表された文様は、シンプルさゆえに美しく、
徐々に装飾品としてもとらえられるようになりました。
一方、現在ではその幸福度の高さで知られる北欧も、
百年ほどまでは、欧州の中の貧困地域でしたが、
手工芸の歴史は17世紀頃までさかのぼり、
各地の民族衣装にはその地域性に根差した
個性的なデザインの刺繍が施されています。
北欧デザイナーの刺し子柄は、
個々のデザイナーが、自分の育った場所の自然や風景、
影響を受けた経験、漠然とした心象風景など、
自分の心の原点に立ち返り、
そこから発想した刺し子文様のデザインを作り上げました。
一口に北欧と言っても、国によって歴史的背景も異なりますし、
同じスウェーデンでも、北部と南部、
都市部と田舎とでは、文化や感覚も異なります。
それぞれのデザイナーが、その地ならではのこだわりや、
自分の原点を見つめながらデザインすることで、表現に個性が生まれます。
私たちは、一つ一つのシンプルな刺し子デザインのなかに、
北欧の自然、風景、生活など、
日本では紹介されてこなかった日常の暮らしを感じることができるのです。
出品予定の刺し子柄デザインについては
次回の更新で、ひとつひとつご紹介いたします。