日本のジャズピアノとコロンビアのハープのデュオにスウェーデン人が陶酔!

10月に開催されたストックホルム・ジャズ・フェスティバル。今年の見ものは何と言っても日本人ジャズピアニスト上原ひろみと、コロンビア出身のハープ奏者、エドマール・カスタネーダとのデュオでしょう。ストックホルムの著名なホールBerwaldhallenでライブが演奏され、最後は観客全員がスタンディングオベーションとなりました。

 

上原ひろみとエドマール・カスタネーダとのデュオは、今年の6月から活動を開始しました。ジャズハープは今回のライブではじめて聞きましたが、ハープという楽器のイメージを覆す美しいジャズの音色に衝撃を受けました。

ひろみさんがエドマールに出会ったのは、2016年のモントリオール・ジャズ・フェスティバルです。その時にひろみさんは、新しいハープの音色に魅了されたそうです。

ライブに全力を出し切るという姿勢と、音楽への情熱が同じレベルで、きっと素晴らしいデュオになると直感したそうです。それまでソロで演奏することが多かったエドマールは、ピアノとの共演に初めは戸惑ったようですが、ひろみさんと一緒に演奏しているうちに、新しい音楽が生まれる面白さと、2つの楽器が醸し出す素晴らしいハーモニーに興奮していったようです。まさに音楽の「化学反応」を生み出していきました。

ひろみさんは、2012年のストックホルム・ジャズ・フェスティバルで演奏されました。この年からジャズ・フェスティバルがそれまでの夏から秋になり、会場もあちこちに移ったため、分かりづらくないフェスティバルとなってしまい、行きそびれた年です。本当に残念なことです。

そのリベンジというわけではありませんが、今回はジャズピアノとハープという最高のデュオをライブで見ることができて幸運でした。たぶん、このライブを聴いていた人はみんなが同じ思いだったと思います。あちこちで「オイオイ/すごい」という感心した声が聞こえ、公演の最後は観客全員のスタンディングオベーションとなりました。あまりの美しいデュオに感激で涙が出てきたくらいです。

ストックホルム・ジャズ・フェスティバルは、2010年までは湖に囲まれた島の野外ステージで夏に開催されていました。さまざまなジャズ演奏が、美しい湖と空の景色を眺めながらの最高のシチュエーションで次々と見られるのが人気のイベントでした。

それが2011年から島での野外ステージではなくなり、2012年からは秋に開催されるようになりました。会場もまちまちになってしまい、すっかり分かりづらくなって、それまで毎年通っていたイベントがすっかりご無沙汰になってしまいました。

その後は、ちょっと気になるアーティストのライブがあると見に行くという形になりました。

今回は、日本人ジャズピアノ奏者が演奏するということで、気になって行ってみることにしました。それが上原ひろみさんだとわかったのは、コンサートの数日前のことです。

上原ひろみさんは海外ではHiromiという名前で演奏ツアーをしているので、はじめは上原ひろみさんだとわかりませんでした。詳細を調べていくと、Hiromiがあの情熱的な演奏をする上原ひろみさんだとわかった時は、心が躍りました。日本のテレビ番組でインタビューと演奏を見たことがあり、とても印象に残っていたのです。

スウェーデンのジャズサイトでも「マジカルな共演」と、ひろみさんのデュオを賞賛しています。

今回のストックホルム公演については、下記のように語っています。

「ひろみとカスタネーダとの共演は、双方のリズムが絶妙のタイミングで混じり合い、信じられないような素晴らしい音色を作り上げている。最後に演奏されたAstor Piazollas Liber Tangoでは、その衝撃的な共演が最高潮に達し、すべての観客を大きな感動に包んだ。この場に居合わせなかった人々のために、ジャズラジオが全演奏を放映する予定だ。

 

上原ひろみさんのオフィシャルサイトによりますと、11月後半から12月にかけて日本でのツアーがあるようです。ジャズピアノとハーブの妖艶なデュオを、この機会に体験されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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