今求められるスウェーデンデザイン1

スウェーデンで最も大きなデザイン賞「デザインS/DesignS」の授賞式が

6月11日にストックホルムのカルチャーセンターで行われました。

デザインの分野は多岐にわたり、持続可能なデザイン、工業デザイン、

建築、インテリア、グラフィック、テキスタイル、家具などの分野から、

プロのデザイナー、建築家、個人のスペシャリスト、プロデューサー、企業がノミネートされます。

授賞式は2年ごとに行われ、ノミネートされた人たちが一同に会して最優秀賞が発表されます。

最もクリエイティブでイノベーティブなアイデアに賞が与えられます。

 

デザインSは2006年から始まったデザイン賞で、

1845年に設立されたスウェーデン最古のデザイン協会Svensk Formが主催しています。

 

Svensk Formは1983年から2002年まで、

最優秀スウェーデンデザイン賞/Utmärkt Svensk Formを発表しており、

工業デザイン、グラフィック、インテリア、アート、テキスタイルなどの賞が選ばれました。

デザインSは国を挙げてもっと多岐にわたる分野から選ばれています。

 

デザインというと形のあるもので、

家具やグラフィックは最もわかりやすいデザインです。

しかし近年はデジタルも発達し、

形のないものもデザインとして認識されるようになりました。

 

実はデザインSの授賞式に参加するのは今回初めてでした。

私はスウェーデンデザインを日本に紹介することを使命としていますが、

パターンデザインに関わるうちに、

テキスタイルやグラフィックに焦点を当てることが多くなっていました。

それ以外のデザイン情報に疎くなっていたこともあり、

今回のデザインSの授賞式に参加してみることにしました。

 

今までのスウェーデンデザインに求められていたことは、

見た目が美しいのはもちろん、持続可能なこと、

環境に配慮していること、機能的であることでしたが、

今ではそれはもう当然の要素になっています。

それを踏まえて、今のスウェーデンデザインに求められている要素は、

知識があること、革新的であること、創造的であること、

先見の明があること、トレンドの先端をいくことです。

 

デザインSは、デジタルも含めて多岐の分野のデザインに賞を与えています。

デザイン大国でイノベーション大国といわれるスウェーデンの

底力を感じられる受賞作品の数々です。

それぞれの分野からの最優秀賞受賞者と作品を紹介してみましょう。

受賞作品が15ほどありますので、いくつかに分けて紹介します。

 

ARCHITECTURE – REALISED PROJECTS/建築、プロジェクト

受賞作品名:Polttopiste (Norsk skogsfinsk museum)
受賞者:Nyréns Arkitektkontor

フィンランドの伝統的な森林がコンセプトの現代建築の博物館

 

ARCHITECTURE – CONCEPT/建築、コンセプト

受賞作品名:Etagot
受賞者:Kjellander Sjöberg

ストックホルム、クングスホルメン地区の新築集合住宅

 

DIGITAL PRODUCTS & SERVICES/デジタルプロダクツ&サービス

受賞作品名:SJ – Resan mot Sveriges nöjdaste kunder
受賞者:Pond & Bontouch

スウェーデン鉄道のデジタルサイト

 

GRAPHIC DESIGN/グラフィックデザイン

受賞作品名:Costume Change At The Opera
受賞者:Happy F&B

ヨーテボリオペラのグラフィック

 

SUSTAINABLE DEVELOPMENT/持続可能なデザイン

受賞作品名:Zstove
受賞者:Zenit Design

木質ペレットを燃料としたストーブ

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今求められているスウェーデンデザイン2

 

今求められているスウェーデンデザインシリーズ

今求められているスウェーデンデザイ1
今求められているスウェーデンデザイン2
今求められているスウェーデンデザイン、家具
今求められているスウェーデンデザイン、テキスタイル
今求められているスウェーデンデザイン、サービスデザイン

 

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