夏休みシーズンで更新が遅くなりました。
今年のスウェーデンの夏は、例年にない猛暑が続いています。
30度を超える日もあり、雨も降らず、
森林火災が起こったり家畜の餌がなくなったり、
被害も出るほどの暑さです。
寒い国が必要以上に暑くなると、
いろいろなことがまわらなくなります。
秋から野菜の価格が高騰するのではないかと心配しています。
さて、スウェーデンで最も大きなデザイン賞「デザインS/DesignS」の
テキスタイル部門についてご紹介します。
TEXTILES/テキスタイル
受賞作品名:Chintz by Svenskt Tenn
受賞者:Lisa Englund
デザインS受賞者は、Svenskt tennが今年のファニチャーフェア期間に発表した
「Ten Textile Talents」プロジェクトに参加したデザイナーのひとりで、
スウェーデンのデザイン大学コンストファックの学生Lisa Englundさんです。
「Ten Textile Talents」は、ヨセフ・フランクのパターンからインスピレーションを得て、
新しい解釈のパターンデザインを生み出すことです。
この作品は、ヨセフ・フランクのUS Treeからインスピレーションを得て、
インドの更紗を意味する「Chintz」というパターンを作り出しました。
インスピレーションとなったヨセフ・フランクのUS Tree
「Ten Textile Talents」プロジェクトの10人の参加者は、
海外も含む5つのデザイン学校から2名ずつ選ばれています。
日本の多摩美術大学から2名、
アメリカのロードアイランド・デザイン学校から2名、
イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートから2名、
スウェーデンのコンストファックデザイン大学から2名、
スウェーデンのボローステキスタイル学校から2名です。
この10名の参加者のうち、
3名の作品がSvenskt tennからテキスタイル生地として発表され、
販売されています。
そのうちの1人が今回デザインSを受賞したLisa Englundさん、
後の2名は多摩美術大学の学生である、
宇都宮琴音さんの「The story of flowers」と、
鵜戸春花さんの「Dear Josef Frank」です。
宇都宮琴音さんの「The story of flowers」は
ヨセフ・フランクのMirakelからインスピレーションを得て、
そのデザインに宿る強いエネルギーと感じ、植物が交わる様子を描いています。
赤い円は日の丸と太陽を意味しているそうで、
エネルギーにあふれた花の演舞のようです。
「Josef Frankのパターンデザインには植物模様が多くありますが、
中でも“Mirakel”という作品は、模様の中の花々が宇宙にいて、
何か会話をしているように見えたので、私にとって1番印象的な作品になりました」
インスピレーションとなったヨセフ・フランクのMirakel
鵜戸春花さんの「Dear Josef Frank」は、
ヨセフ・フランクの想像上の植物のモチーフからインスピレーションを得て、
ヨセフの作品に見られる生き生きとしたライブ感を伝えたいと思ったそうです。
まるでヨセフに手紙を書いているような、
ヨセフに直接会うことができたら何と言おうか、
ヨセフにどれだけ敬意を表しているかをデザインに表現しています。
宇都宮琴音さんの「The story of flowers」はソファにもなり、大きな注目を浴びていました。
前途有望な若い学生たちの今後の活躍が楽しみです。
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