Formexが言い切った今年のトレンド More is More!

今回のFormexのテーマは「A new palette/ニューパレット」。

上記のテーマ画像が表すように、ガラス、プレキシグラス、陶器などのさまざまな素材に加え

オレンジ、ピンク、グリーン、ブルー、といった明るい色合いのミックスカラーがコンセプトです。

 

Formexには10年以上通い続け、さまざまなトレンドを見てきました。

ブラック&ホワイトが主流になったこともあり、

北欧インテリアから色彩が消えたこともありました。

「北欧」というテーマがしばらく続いたころは

自国にフォーカスし、自分たちのまわりを見つめ直していました。

トナカイやオーロラや雪や厳しい自然など

北欧ならではの環境に注目していた時期です。

そして昨年から海外に目を向けるようになり

最近は明るくてカラフルなインテリアがトレンドになっています。

特に今回は、ロンドンの伝説のデザイナー、

ザンドラ・ローデスをゲスト・インフルエンサーに迎え

彼女の持つ奇抜な世界観が北欧の人々を魅了しました。

 

2019年春夏のトレンドテーマが3つ提案されました。

ひとつめは「More is More/多いことは豊かだ」

ふたつめは「Kindful Soul/カインドフル・ソウル」

みっつめは「New Material/ニュー・マテリアル」

 

ミニマリズムを得意とし、「Less is More/少ないことは豊かだ」をモットーとする北欧が

「More is More」という大胆な発言です。

以前にも「ミニマリズム」ではなく

「マキシマズム」をコンセプトにした展示がありましたが

それはFormexそのもののコンセプトではなく、あるスタイリストのコンセプトでした。

しかし今回はFormexが堂々と「More is More」というのです。

しかも「Less is Bore/少ないことは退屈」と言い

「More is More/多いことは豊かだ」と断言しています。

思い切った発言をする意図がどこにあるのかを探るために

数日Formexに通いつめ、トレンドセミナーもあれこれ聞き、私なりに解釈してみました。

 

寒い季節に明るい色合いを提案するのはよくあることですが

今回はいつもに増して明るさが大胆です。

北欧の人々は基本的に大人しくて、派手なことを好みません。

日本と同様に「出る杭は打たれる」という感覚があり

目立つことに躊躇する人が多いのは確かです。

ファッションに至っては、多くの人がブラックを身にまとっています。

それでも明るい色合いを身にまとうことに憧れもあります。

派手で奇抜なことに挑戦してみたいのですが

それを自分たちから言いだすことが難しく

奇抜さの代名詞であるザンドラ・ローデスを招待し

彼女を通して派手さにに挑戦してみようという思いがあったのではないでしょうか。

しばらく自国にこもる「北欧」のテーマが続いた反動で

ちょっと冒険してみたくなったのかもしれません。

 

通常はゲスト・デザイナーというところ

ゲスト・インフルエンサーと表現しているところも

ザンドラ・ローデスに影響を受けたい思いが感じ取れます。

 

今回のセミナーでは誰もがザンドラの色使いを絶賛していました。

ピンクヘアがトレードマークのザンドラ。

エントランス展示はザンドラのロンドンのペントハウスを再現しています。

カラフルな本棚、虹色のフロア。椅子などなど。

ザンドラのあふれんばかりのパワーが

北欧の人々に元気を与えてくれました。

More is Moreのキーワードは、クレイジークリエイティブ、

表現力豊か、カラフル、遊びごころ、ネオンサイン、

光沢、シルバー、ミックスカラーです。

会場で目に付いた出展品も

「More is More」を思わせる元気カラーが多かったように思います。


Oliw87


Pattern me brignt/パターン


Nakol/シルクスカーフ


Textileriet/テキスタイル

 

「出る杭は打たれる」感覚を持ち、目立つことに躊躇する人々は

今回のゲスト・インフルエンサーであったザンドラ・ローデスを

羨望の眼差しで見つめる人は少なくなかったことでしょう。

 

画像出典Formex

 

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