5週間ほど日本にいたため、久しぶりの投稿になります。
令和になる時期を日本で過ごせたのはいい経験となりました。
ちょうど令和を迎えるころに、
スカンジナビアンパターンコレクションの
ユニクロUTシリーズが発表されましたので
このプロジェクトについて解説したいと思います。
ユニクロが初めてスカンジナビアンパターンコレクションを採用したのは
2015年のベビー服とショールでした。
さまざまな北欧パターンのショールがお手頃価格で買い求められるとあり
なかなか好評な商品となりました。
そして、久しぶりにまた一緒にお仕事をさせていただくことになりました。
今回採用されたパターンは、北欧の夏をイメージしたもので、
ユニクロUTとして発表されています。
一般的に北欧パターンで人気なのは、
北欧チックなかわいらしいパターンですが
今回ユニクロが選んだパターンは、
テキスタイルデザイナーとして活躍している
3組の若手デュオのパターンが含まれています。
今まではどちらかというとあまり選ばれなかったタイプのパターンですが
ユニクロUTとしてお目見えしたのをきっかけに
新しい北欧パターンとしての風を吹かせてくれそうな
3組のデュオのデザインについてご紹介しましょう。
北極圏の夏の海辺をイメージ
レディースTシャツとワンピースになった上記のパターンは
スウェーデン北極圏の若手デザイナーのデュオ
グラフィックデザイナーのカイサ・ニルソンと
テキスタイルデザイナーのジェニー・グルフマンです。
北極圏の壮大な季節の移り変わりや
厳しい自然からインスピレーションを得た新しい世界観のパターンを手がけます。
採用されたパターンは、北極圏の夏に日光が降り注ぎ
波と足跡が砂に模様を作る様子をイメージしています。
実はこのパターンはもともと黒がオリジナルで
積もった雪に残された足跡がモチーフですが
色合いを変えることにより、夏の海辺のイメージも表現しています。
夏の森の夕べが落とす影を表現
レディースのTシャツとキッズワンピースに採用されたパターンは
スウェーデン最南端の街マルメ在住のスウェーデン人テキスタイルデザイナーデゥオ、
ハンナ・ブトレーと、カーリン・オル・リンドゴードです。
本質的で感覚的な手仕事にこだわったパターンが特徴です。
2人で同じ紙の上で描きながら
色やリズムやトーンが調和しながらパターンが仕上げます。
最近のプロジェクトは、
身体に絵の具を塗りたくって大きな紙の上を転がりまわり
偶然から生み出されるオーガニックなパターンを作り上げました。
ユニクロに採用されたパターンは、
夏の森の夕べに見かけた影がインスピレーションとなり
インク液を落とした時に生まれる
オーガニックな模様を元に描いています。
南スウェーデンの夏の景色
Tシャツのポケットに採用された抽象的なパターンは
スウェーデン最南端の街マルメ在住のテキスタイルデザイナーデュオ
アマンダ&マティルダです。
手描きならではの、アート感覚のテキスタイルデザインを特徴とし、
点や線を絶妙に組み合わせたり
繊細かつ大胆にパターンを仕上げていきます。
ユニクロに採用されたパターンは
南スウェーデンのエステルレーンの夏の景色を抽象的に描いています。
広い空と青い海と、どこまでも広がる
壮大な草原が醸し出す自然の素晴らしさを
絵の具を使って表現しています。
ご紹介したパターン以外にも、花柄やドットなど
素敵なパターンがたくさんありますので
どうぞお気に入りを見つけてみて下さい。