「ネクスト・マインドセット」北欧インテリアフェアFormexの最新トレンド

毎年2回開催される北欧インテリアフェアFormex。

1月は春のフェアと呼ばれ、8月は秋のフェアと呼ばれます。

まだ冬真っ只中の1月に開催される春のフェアは、

真冬に暖かさや元気をもらえます。

8月に開催される秋のフェアは、

学校の新年度と同じ時期に開催されるので

気持ちをリフレッシュさせてくれます。

年2回のフェアでは、トレンドテーマとカラーパレットが紹介されます。

北欧ならではの視点から見たコンセプトや

カラーパレットの組み合わせがいつも参考になっています。

今年はコロナ禍で1月も8月もオンラインセミナーのみの開催となりましたが

8月に開催された秋のフェアでは

2021年と2022年の秋冬トレンドカラーが提案されましたのでご紹介します。

 

ネクスト・マインドセット

21/22秋冬の総合的なトレンドテーマは「ネクスト・マインドセット」です。

コロナによって、世界中の人々の生活が一変し

私たちは、新しいマインドセットを余儀なくされました。

時間は留まることなく進んでいますが

あらゆるイベントが停止していて、

まるで時が止まっているかのような感覚になりました。

私たちのまわりでは、政治的な混乱や気候変動への不安、

経済的な心配事が増えています。

 

世の中はいったいどうなってしまうのか

先行きの見えない世の中がまだまだ続いています。

そんな中、気持ちを分かち合う「共感」がより求められ、

人間中心から、全ての生物中心の世界観へと切り替わっています。

残るものと消えていくものが明確になってきたり

環境に考慮した課題はますます注目されています。

そんな時代に求められるデザインとは何でしょうか。

この時代に求められるデザインとは、価値を創造する能力であり

その結果、人々の幸福感や充実感を高めるデザインです。

Formexは、今の時代に求められる3つのトレンドを挙げ

2021/2022秋冬をテーマにしたカラーパレットを発表しました。

 

1、エモーション・オブ・ネイチャー/Emotion of Nature

人々は、エネルギーや心の平穏の源として、

ますます自然を求めるようになりました。

特にこの1年は、人々の多くが肉体的にも精神的にも

孤立した中で生きている感覚と闘ってきました。

旅行の機会が限られ、より身近に焦点を当てるようになりました。

身近な自然や庭で過ごすことでリラックスしたり、

リモートで働くことで家で過ごす時間が増えました。

私たちは、これからも家でリフレッシュすることに

時間とお金を費やすことになるでしょう。

コロナ禍の中、室内に置ける観葉植物や鉢植えの人気が高まりました。

「エモーション・オブ・ネイチャー」は

インテリア以外でもトレンドになっています。

美容や食品なども「ネイチャー」がキーワードとなり

森や田園地帯で余暇を過ごす人も増えました。

気軽なソロキャンプから豪華なグランピングまで、

その形態はさまざまです。

 

エモーション・オブ・ネイチャーを表現するカラーパレットは

暖色系と寒色系を組み合わせたグリーンカラーです。

自然界にはさまざまな色合いが存在します。

人工的でない色合いは、人々の気持ちを和らげてくれます。

自然との調和を意識したカラーパレットですね。

 

2、サウンド・オブ・サイレンス/Sound of Silence

都会に暮らしたことのある人は、

どこか洗練された雰囲気を持ち合わせています。

他人に左右されることなく

自分が好きなものを知っています。

有名デザイナーのブランドと、

フリーマーケットで見つけた安物とを

上手に組み合わせるセンスがあります。

調和の取れた不調和を得意とします。

賑やかな都会では「沈黙/サイレント」が贅沢になります。

コロナ禍では、飛行機が飛ばなくなり、交通量も減り

混雑しない都会の時間が増えました。

静かになった都会で、室内に籠もってお気に入りの音楽を聴く。

今までよりずっと落ち着いた

静かな環境を選べるようになりました。

 

そんなイメージから提案されたカラーパレットは

ブラック&ホワイトを基調にしながら

イエローのアクセントが効いた色合いです。

落ち着きだけでは物足りず

目を惹く何かも求める都会のイメージですね。

 

3、誘惑の時間/Time for Seduction

Formexの3つのトレンドの中で

毎回ひとつは遊び心のある提案があります。

今回はこの「誘惑の時間」がそうですね。

コロナ禍で、人との交流が大幅に減りました。

人と会うことを我慢し、距離を置き、

でも、もうそんな暮らしに耐えられなくなってきました。

人との交流への欲求が高まり

親しい人たちとの交流をが待ち遠しくなります。

コロナ禍の時代は、第一次世界大戦や

スペイン風邪の暗黒時代と比較されることがあります。

多くの人々が苦しみ、命を落とし、

そしてその後に訪れたのが「狂騒の1920年代」です。

 

「誘惑の時間」のカラーパレットはモダンで

ロマンティックなスタイルを表現しています。

赤やピンクやオレンジの組み合わせなど

タブーと言われる大胆な色使いも。

カラフルな色には、カクテルグラスの縁に見られるような

ゴールドが散りばめられています。

赤は情熱と居心地のよい温かさを表しています。

この秋から冬にかけては

情熱的な出会いや楽しいパーティが待ち受けていそうです。

我慢していた気持ちを一気に吐き出し

いつもと違う色合いで弾けてみてはいかがでしょうか。

ゼラニウムピンクやカーディナルレッドなど

ちょっと派手目なピンク系と、

ボルドーワインやプラムなど

ちょっと落ち着いたピンク系の組み合わせです。

年に2回開催される北欧インテリアフェアFormexでは

毎回トレンドテーマとカラーを発表しています。

3つのカラーパレットは、それぞれ個性が異なりますので

お気に入りを見つけて参考にしてみてはいかがでしょうか。

提案されている色の組み合わせは

北欧らしさを表現するヒントになります。

 

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