先日、スウェーデンのトップフロリストであるグンナル・カイさんの待望の書籍「Lat det blomma!」がリリースされました。私はもう長いことずっと、グンナルさんのアレンジに魅了され続けています。そんなグンナルさんが今までに手がけたフラワーアレンジの総結集ともいえる書籍です。
初めてグンナルさんのアレンジを見たのはインテリアフェアでのプレス朝食会でした。なんて斬新なアレンジなのだろうととても魅了され、その方がノーベル賞晩餐会のフラワーアレンジをしている方と知りました。そして初めてお話しをさせていただいたのが、2008年のデザインハウスストックホルムのプレスリリース会場でした。そこでもグンナルさんのアレンジを見ることができたのです。
そこから私のグンナルさん追っかけ生活が始まりました。いくつかの日本の雑誌にグンナルさんの記事を書きたいと持ち込み、採用して下さったのが花時間でした。初めてのグンナルさんの記事は、2009年のノーベル賞晩餐会のアレンジを取材した花時間2010年3月号です。
そして今年の花時間夏号では、グンナルさんのサマーハウスの記事が掲載されました。当サイトでは秘蔵画像も公開しました。
グンナルさんの名をスウェーデン中に広めたのは、なんといっても2000年から担当しているノーベル賞晩餐会のフラワーアレンジです。アルフレッド・ノーベル氏が亡くなったイタリアのサンレモから、最高の状態の花が毎年12月にストックホルムに届けられます。今まで見たこともないほどの1万本以上の上等な花が、ノーベル賞晩餐会の会場である市庁舎に届けられます。晩餐会が開催されるほんの数時間のために、1年も前からアレンジ企画が内密に練られていきます。
そんな世界が注目する最高峰のアレンジもステキですが、私がいちばん好きなのは、自然の中にある木の実や落ち葉や枯れ枝を使ったアレンジです。森の中にあるさまざまな色のコケや秋を彩る落ち葉。そんな自然の中に存在する素材が、グンナルさんの魔法の手にかかると美しいアレンジへのスパイスとなります。グンナル流のナチュラルなアレンジは、どこか「わびさび」を思わせ、お茶事での茶花にもピッタリなのです。
毎年夏から秋にかけて過ごすサマーハウスでは、自然からの恩恵の全てを無駄にすることのない、ていねいなガーデニングをされています。自然を壊すことのないように配慮を配り、刈り取った花や抜き取った雑草をコンポストにして土に還します。雨水をためて水やりに備え、石ひとつも無駄にしません。
そんなグンナルさんの全てが1冊に凝縮された本になりますので、グンナルさんファンにとっては最高のプレゼントです。
この書籍を、ぜひ日本語訳にしたいと考えています。これから日本の出版社にアプローチをかけていきたいと思っています。持ち込み企画が難しいことは分かっていますが、なんとか実現できるよう、ていねいに努力を重ねてみたいと思っています。良いものは必ず認められると信じて。
もし可能性があるようでしたら、どうかお声をかけていただけると有り難く思います。
メールはこちらまで。
2003年〜2009年まで、ジャパンデザインネットにて、スウェーデンデザイン情報を寄稿していた際のグンナルさんのノーベル賞晩餐会フラワーアレンジの記事リンクです。
今までに当サイトで書かせていただいたグンナルさんのアレンジです。